本日ラジオ(FM Nack5)に出演いたしました。
その際のラジオ用原稿です。
少し難しいお話になってしまいました。
くだもの狩りには、そういった知識はいりませんので、お気楽にどうぞ。
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○柿の種別(各柿の特長や収穫時期)
地域によって生産種の違いはありますが、北関東地区に於いての代表的な種類を生産
しています。
各種別と生産時期(本年度の予想)
10/15から10/25
「西村早生」(ニシムラワセ)
・現在はこれです。
不完全甘柿(ゴマが入る)
種子が4個以上あると甘くなる。
10/12から11/10
「松本早生」(マツモトワセ)
完全甘柿(ゴマが入らない)
種子が3個以上で甘みを増す。
「ぜんじまる」(←柿の種類です)の雄花から花粉をもらうと甘みがよくなる。
当農園ではそのために「ゼンジマル」も栽培しております。
11/10以降
百目柿(ヒャクメガキ)
渋柿としてあった「百目」から派生した「不完全甘柿」です。
『江戸一(エドイチ)』とも言われ独特の味わいがあります。
観光として生産しているところが少なく、人気です。
11/15以降
「富有柿」(フユウガキ)
「完全甘柿」の代表種です。
11/15以降
「次郎柿」(ジロウガキ)
完全甘柿です。
以上、「百目」以外「甘柿」です。
※「柿の渋」というのは、「可溶性タンニン」が「不溶性」となることで抜けます。完熟時に抜けきらないものを「渋柿」というそうです。
※甘柿にも成熟時に完全に可溶性タンニンが抜けきる「完全甘柿」と、一定の条件が整わないと渋の抜けない「不完全甘柿」があります。
※「可溶性タンニン」は活性が高く、変成しやすい性質なので、そのままでの加工は(短時間で消費する以外)難しいです。
※渋柿を干すことで「可溶性タンニン」を「不溶性」に変化させます。
※また「タルヌキ」といって、渋のある柿を焼酎などのアルコールを少し入れた容器(樽)に密閉することで、渋を抜くこともできます。
(タンニンを重合させ、分子量の大きいものに変性させます。)
※栄養価としては、脂肪分を無くしたアボガドのような成分です。脂肪分が少ないのでビタミンEは少ないですが、その他の成分としては体にいい成分が多く含まれています。
※西洋では「トマトが赤くなると~」というのがありますが、ここ日本では「柿が赤くなると、医者が青くなる」といわれています。
ビタミンC、ビタミンAの多さから、昔は貴重な食物だったようです。
※柿は、種類によて「種が一定数入らないと、渋の消えないもの」等、種別によっての個性が強いです。
※柿の有効成分として「クルセチン」があります。
「クルセチン」の効能としては、「抗ウィルス作用」、「抗アレルギー作用」、「ガン細胞増殖抑制作用」 があります。
※柿の実に付いている「ゴマ」(=黒いつぶつぶ)は、可溶性タンニンが変成したものです。いっぱい付いていればそれは甘いものであることになります。
※タンニンの多さから、その葉はお茶の原料になります。
その他、加工の技術等。
生の状態でしたら、すぐ食べるような加工に適しますが、こちらの地元ではあまりしません。
干し柿にしたあとは、干しぶどうと同様に加工できます。
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